安全対策基準DSS2004

ダイビング安全対策基準(DSS2004)

安全装備

(酸素供給器材および供給者)


1 事業所はその規模に応じた酸素供給機材を装備しなければならない。たとえば並行して2つのダイビングプログラム(例:ビーチダイビングとボートダイビングの並行開催、複数のボートによるボートダイビングプログラム、ポイントが違うビーチダイビング2コースなど)を開催しているのであれば最低2セット常備し、各コースに配分すべきである。また携行する酸素シリンダーはポイントから最寄りの再圧チャンバーへの時間的距離から算出した十分な容量の予備シリンダーを有していなければならない。
2 酸素供給器材のレギュレーターはデマンド式、もしくは定流量式にあっては最大供給量が毎分15リットル以上でなければならない。15リットルに満たない流量の定流量式キットでは有効な酸素の効果が期待できない。現行の多くの定流量型酸素供給器材は、この基準を満たさないタイプが多く存在する。このタイプの酸素供給器材は速やかに、この条件に合致する酸素供給器材と入れ替えるべきである。なお、毎分15リットルという供給数値の根拠はDAN酸素プロバイダ講習で規定されている供給量である。この項目はDSS2004では努力目標とし、DSS2005において義務とするかどうかは継続審議とする。
3 酸素供給を効果的かつ迅速安全に行うために酸素供給法の正しいトレーニングを受講することは絶対的に必要である。事業所所属の指導者でDAN酸素プロバイダの資格を有していない者は本年中にトレーニングを受けるべきである。この項目はDSS2004においては努力目標とするが、DSS2005においては所属指導員の一定数以上がDANプロバイダ有資格者であることを必須とする方向で継続審議とする。

(セイフティーグッズ)


4 事業所所属の指導者全員が常時携行すべきセイフティーグッズは以下の通りである。
  • フロート(レーダー反射機能がついているのが望ましい)
  • シグナルホーン
  • ストロボライト
  • ミラー
  • RS-4

5 RS-4を装備する有効性は絶大であり、漂流事故を未然に防ぐという目的において、現時点では最も効果的な装備である。事業所所属指導員の全員が携行することが望ましいが、DSS2004では努力目標とし、継続審議とする。

(救急箱)


6 救急箱については、水辺活動となるので防水・遮光機能があるハードケースが望ましい。救急箱に常備すべき内容は器具・資材・薬品・支援資材・その他に分類する。まず器具については、体温計・はさみ・ピンセット・ナイフ・毛抜き。爪切り・ポケットマスク・マウスシールド。資材は、包帯(伸縮・ネット)・滅菌ガーゼ・救急バンソウコウ(防水タイプ)・三角巾・脱脂綿・ガーゼ・防水バンソウコウ・綿棒。薬品については特に有効期限に注意する。消毒薬(透明な液体・オキシドール)・イソジン・スプレー式消毒薬・清浄綿。軟膏については、抗ヒスタミン・抗生物質(化膿止め)・かゆみ止め。内服薬については、鎮痛剤・解熱剤・整腸剤・消化剤・酔い止め薬。その他として目薬・瞬間冷却材・冷湿布・ホッカイロ・食酢。支援資材は、ラテックス手袋・意識確認シート・薬用石鹸・安全ピン・ペンライト・ライター・レスキューシート・筆記具・緊急連絡先一覧・ファーストエイドマニュアル。その他として酸素供給器材・聴診器等である。薬品については常に有効期限を確認すべきである。

(AED:自動体外式除細動器)


7 AEDについては近い将来装備義務が生じることは想像に難くない。2004年度から安対協会員向けのトレーニングとしてAEDの啓発活動を行う。当分は継続審議としその動向に注目するものとする。

安全講習およびトレーニング

(講習およびトレーニングに関する認定事業所資格維持の認定要件)


8 細則条の規定に基づき事業所会員は、所定の単位に基づいて安対協主宰の訓練、トレーニングおよびワークショップに参加する、あるいは傘下の指導員を参加させる義務を負う。1事業所に必要な講習時間は、年間5時間に事業所所属の指導者数を積算した時間とする。それぞれの講習に割り当てられる時間数は以下の通りである。その他企画するワークショップ・トレーニングについては、それぞれ規定する。
  • CPRトレーニング     初級者:4時間 上級者:3時間
  • ダイビング事故対策訓練  6時間(地域と訓練内容で若干変動)
  • レスキュートレーニング  6時間(海洋実技あり)
  • ダイビング事故対策ワークショップ 3時間(海洋実技なし)
  • DAN酸素プロバイダ講習   4時間

(CPRトレーニング)


9 CPRトレーニングについては指導員一人一人が毎年一回は必ず受講することを義務とする。またCPRトレーニングについては安対協主宰のトレーニング以外は一切認めない。とくに特定指導団体のプログラムに順規した事業所内部でのCPR講習はおおよそ正当性を欠くことは明らかである。また同一のプログラムによるトレーニングを受講することにより、現場での協力体制がスムースに進行することを期待する。
10 CPRトレーニングに係る費用は安対協会員については無償とする。ただしテキスト代は実費を徴収するが、同一事業所内に共有できる同じバージョンのテキストがあれば持参しても構わない。非安対協会員(事業所会員傘下にあってもA会員として登録していなければ非会員とする)にあってはテキスト代別で5,000円を徴収する。

(ダイビング事故対策訓練)


11 各地域にて年に一回は第十一管区海上保安本部管区内で開催される官民合同のダイビング事故対策訓練に参加し、公的救助機関の救助要領や手順等の確認。訓練内容については、該当地域に配備されている巡視船艇や航空機の種類によって異なる場合がある。海難事故や天候の関係で当日訓練中止また延期ということがあることを理解して頂きたい。

(DAN酸素プロバイダ講習)


12 DAN酸素インストラクターおよびインストラクタートレーナーであれば、どこでも開催できる講習であり、事業所内で開催された講習会をもって安対協公認のトレーニングとして認定することができるが、その講習会に当たっては必ず安対協の承認を受け、安対協会員一般に向けて受講者を公募しなければならない。

指導員の健康診断

(ダイビング業務対象健康診断受診の必要性)


13 ダイビングという過酷な業務に従事する者として、事業所のすべての指導員は年1回の健康診断をもって、呼吸器系、循環器系、代謝機能系、感覚器系、その他あらゆるダイビングに直接影響を及ぼす身体機能に何らかの問題もないことを証明する義務がある。自分自身の健康に不安があれば直ちに専門医の指示に従うものとする。

レンタル器材の管理


14 事業所が体験・講習・ファンダイビング等で貸し出す目的で用意している潜水器材は、器材の管理記録を明確にするために番号を付けて管理すること。年1回の専門家によるオーバーホールを行うものとする。また使用前の点検で不具合箇所があった場合は、直ちに点検修理を行い、それを記録すること。実際に貸し出す際は、事前にスタッフが使用確認を行い、器材を借りようとするお客様の目前で正常に作動することを確認してもらうこと。体験ダイビングについてはスタッフが確実に作動することを確認すること。

危機管理


15 ダイビングサービスの提供は、日常生活と異なる環境での活動となるために予め想定される危険に対する対処を万全なものとするように努力しなければならない。
16 以下の各号に該当するダイビング活動を提供する場合には、その活動に関わる危険性を十分に説明し理解していただいた上で、その活動に必要な書類を提出させ、万全の対策を講じること。
  • 単独潜水
  • 減圧潜水
  • 閉鎖環境でのダイビング
  • 盲目的なダイブコンピューターへの過信と依存
  • 深々度潜水(初心者は18m迄、上級者にあっても39mを限界とする)
  • 未知の海域(水域)での探検ダイビング
  • 潜水当日の飛行機への搭乗または標高300m以上の山超え
  • 正規のトレーニングを受けていない内容や海域でのダイビング
  • 急速な浮上を必要とするダイビング
※現在理事による最終審議中。一般会員やHPをご覧の皆様からのご意見も歓迎します。